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ネットワークはインフラの要!構築時に押さえるべき基本と実践知識

目次

私たちが日々使っているITシステムは、どんなに高度なサーバーやアプリケーションを駆使していようとも、「ネットワーク」という土台の上に成り立っていることを忘れてはなりません。クラウドサービスが当たり前となった今だからこそ、ネットワークの理解はシステム構築の根幹として、すべてのITパーソンが押さえるべき領域になっています。

システム構築の根幹にあるネットワーク

「インフラエンジニア」と聞くと、サーバーの構築や監視、クラウド環境の設計を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、これらの要素はすべてネットワークと連動して動作しています。仮に高性能なWebサーバーを構築しても、DNS設定やルーティングの誤り、ファイアウォールの制限で通信できなければ、ユーザーには“つながらないシステム”として映ってしまいます。

実際に、ある業務システムのクラウド移行案件で「アプリケーションは正常稼働しているのにクライアントからアクセスできない」というトラブルがありました。原因はVPC内のサブネット設計ミスによるルーティング不備でした。ネットワークの知識がなければ、このような問題の特定と解決は難しく、結果的にプロジェクトの信頼性にも関わります。

サーバーはネットワークと切り離せない

オンプレミスでもクラウドでも、サーバーは「独立して存在するもの」ではなく、ネットワーク上のノード(節点)として機能します。どんなに高性能なデータベースやアプリケーションがあっても、通信できなければ情報は引き出せません。

例えば、AWSでよく利用される「パブリックサブネット」と「プライベートサブネット」の違いや、セキュリティグループとネットワークACLの使い分けなど、ネットワークの前提知識がなければ、設計段階から大きなミスを招く可能性があります。

また、マイクロサービスやゼロトラストネットワークといった現代的なアーキテクチャでは、通信の経路や制御が複雑化しているため、ネットワークの基本が理解できていないと全体像を把握することができません

トラブルの多くは「ネットワークの理解不足」が原因

実際の現場で起こるトラブルの多くは、サーバーやミドルウェアそのものよりも、「通信経路の誤設定」や「名前解決の失敗」、「アクセス制御のミス」など、ネットワークに起因するものが非常に多いのが実情です。

それにもかかわらず、ネットワークは「難しそう」「専門的すぎる」と敬遠されがちです。しかし、ネットワークを押さえることができれば、構築・運用・トラブル対応における対応力が一段と高まりますつまり、ネットワークの理解は単なる技術的知識ではなく、ITエンジニアとしての“武器”になるのです。

サーバーを構築する際に「OSのインストール」や「ミドルウェアの設定」にばかり意識が向きがちですが、ネットワークの基礎が理解できていなければ、そもそもサーバーを“つながる存在”として機能させることはできません

本章では、サーバー構築に取り掛かる前に最低限理解しておくべきネットワークの基本事項を、実例とともに紹介します。

IPアドレスとサブネットの理解(IPv4 / IPv6)

IPアドレス

サーバーの“住所”です。どの機器がどこにいるのかを示す識別子であり、通信の前提となる情報です。

サブネットの例

192.168.10.5/24 というIPは「192.168.10.0 〜 192.168.10.255」のネットワークに属しており、255台までのデバイスが同じネットワーク内に存在できるという意味になります。

ここで重要なのがサブネットマスク。これはネットワーク部とホスト部を分ける役割を担い、適切なネットワーク設計をするうえで不可欠です。

特にIPv6では、より多くのアドレスを扱える一方で、アドレス表記の冗長さやプレフィックスの考え方など、理解すべきポイントが増えます。クラウド環境ではIPv6の利用も進みつつあるため、基礎だけでも押さえておくことが将来的な武器になります

DHCPと固定IPの使い分け

IPアドレスの設定方法には大きく分けて2つあります

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)

ネットワーク機器が自動的にIPを割り当てる仕組み。ユーザーPCや検証用サーバーには便利ですが、再起動などでIPが変わる可能性があるため、恒常的なサービス提供には不向きです。

固定IP

特定のIPアドレスを手動で設定する方式。Webサーバー、DBサーバー、DNSサーバーなどの“中核インフラ”には必須です。

IPアドレスの割り当てに起因したトラブル例

社内システムのDBサーバーがDHCPでIP変更 → アプリ側の接続先設定が古いまま → アプリケーション障害発生。

このように、どのサーバーにどのIPが割り当てられているかを常に把握し、役割に応じた使い分けを意識することがトラブルを未然に防ぐカギとなります。

ゲートウェイとDNSの役割

ゲートウェイ

サーバーが自ネットワークの外と通信する際の“出口”です。

DNS(Domain Name System)

DNSは、サーバーがホスト名(例:www.example.com)をIPアドレスに変換するために利用します。

これらの設定が間違っていると、「サーバーは立ち上がっているのに通信できない」「外部のAPIに接続できない」といった問題が発生します。

特にDNSは軽視されがちですが、DNSサーバーの応答遅延や名前解決の失敗が、Webサイトの表示速度低下やAPI通信のタイムアウトに直結することも多いのです。

VLANとセグメント設計の考え方

物理ネットワークが仮想化されている昨今、VLAN(Virtual LAN)によるネットワークの論理分離が当たり前になっています。

論理分離のメリット
  • 例えば、「管理用」「業務用」「バックアップ用」でVLANを分けることで、セキュリティとトラフィック管理を効率化できます。
  • セグメントを明確に分けることで、トラブル時に「どの通信経路で問題が起きているか」を特定しやすくなります。

また、ファイアウォール設定やアクセス制御も、VLAN設計と連動して最適化されるべきです。

VLAN設計と連動したアクセス制御の例

管理ネットワーク(VLAN10)からしかSSH接続を許可しない構成 → 外部からの不正アクセスを抑止できる。

クラウド環境でも、VPCやサブネット設計の中でこの考え方は変わりません。そのため、物理でも仮想でも「ネットワークをどう切り分け、どう守るか」を意識した設計が重要です。

まとめ

ネットワークはサーバー構築の“下準備”ではなく、“構築そのもの”といっても過言ではありません。IPやDNSといった小さな設定ミスが、大きな障害に繋がるケースは多く、トラブルを防ぐには基礎の徹底が何よりも重要です。

ネットワークの基礎知識を頭に入れたら、いよいよ実際の構築作業です。

しかし「手順通りに設定しているのに通信できない」「想定通りのパフォーマンスが出ない」といったトラブルは、ネットワーク構成の設計や初期設定のミスに起因することが少なくありません。

本章では、ネットワーク構築における“実践上の注意点”を、設計・設定・検証・現場対応の観点から紹介します。

設計時に考慮すべきネットワーク構成(物理・仮想)

まず押さえておくべきは、物理と仮想の違いを理解し、それぞれに合った設計を行うことです。

ネットワーク構成(物理・仮想)のポイント
  • 物理構成の例: オンプレミス環境では、スイッチ、ルーター、ファイアウォールといった機器が明確に存在し、LAN配線・電源配線・ラック構成など物理的な設計が重要。
  • 仮想構成の例: クラウドや仮想化基盤(VMware, Hyper-V等)では、VLANやvSwitch、セグメント分けを論理的に設計し、VPC(AWS)やVNet(Azure)などのクラウド専用構成も考慮する必要があります。

例えば、複数の環境(Web・DB・バッチ処理など)を1つのL2セグメントに混在させた場合、障害影響が広範囲になることがあります。

そのため、「どの通信が誰とどうつながるべきか」を整理し、分離できる箇所はネットワーク設計で“明確に区切る”ことが大原則です。

ファイアウォールやルーティング設定の注意点

構築時によくあるつまずきポイントのひとつが、「ポートは空いているはずなのに通信できない」問題

その原因は大抵、以下のどれかです:

通信不可の原因の例
  • ファイアウォールのルール漏れ(双方向設定されていない)
  • 送信元IP制限と実IPの不一致
  • ルーティング設定忘れ(return pathの欠落)

例として、Webサーバー → DBサーバー への接続で「DB側からの応答が来ない」というケースでは、DB側のアウトバウンドルールの不足経路が別のゲートウェイに向いていたといった初歩的なミスがよく見られます。

ファイアウォールは「何を通すか」だけでなく、「通さないべき通信をどう明示的に拒否するか」という点にも注意しましょう。ログ出力の有無、エラーメッセージの抑制、遮断理由の明記など、後のトラブルシュートに役立ちます。

トラブルを未然に防ぐPing・traceroute・nslookupの使い方

構築時には、接続確認とルート調査の基本コマンドが非常に有効です。以下の3つは現場での“お守り”とも言える存在です。

代表的な接続性確認コマンド
  • ping:相手にパケットが届くか確認。タイムアウトが続く場合はネットワーク・ファイアウォール・ルーティングを確認。
  • traceroute(Windowsではtracert):どのルートを通って相手に到達しているかを可視化。途中で止まっていればその機器に問題がある可能性。
  • nslookup:ホスト名からIPアドレスを調べる。DNS設定ミスや名前解決遅延の特定に役立ちます。

例:Webサーバーが「外部APIに接続できない」場合、tracerouteで出口を確認 → pingで応答確認 → nslookupで名前解決確認と進めることで、原因を素早く特定できます。

こうした“問題発生後の初動対応力”もネットワーク構築スキルの一部。手順書に落とし込んでおくと、チームメンバーのナレッジ共有にもつながります。

ケーブル接続やスイッチ設定など、現場ならではの注意点

物理構成においては、「正しくつながっているつもりでつながっていない」という人為的ミスがよく発生します。

物理構成における設定ミスの例
  • ケーブルの差し間違い(色やラベルに注意)
  • スイッチポートの設定ミス(access/trunk、VLAN ID、ポートセキュリティ)
  • Auto-Negotiationの非一致によるリンクダウン(通信速度の不一致)

また、ラック内でのケーブル配線の煩雑さが原因で障害対応に時間がかかるといったことも現場では珍しくありません。

現場での対応では「物理と論理の一致」を常に意識し、図面(ネットワーク構成図)と現物がズレないよう日々の記録・管理が重要です。

まとめ

ネットワーク構築の実践では、机上の理論だけでは不十分です。

設計の意図を理解し、設定の根拠を持ち、トラブルの予兆を見抜く感覚が求められます。

特にファイアウォールやルーティングは、わずかなミスが大規模障害につながることもありますし、ケーブル1本の差し間違いで1日が潰れることもあります。

だからこそ、「なぜこの構成にしたのか」「なぜこの設定が必要なのか」を明確にしながら、一つひとつ丁寧に構築していく姿勢が、現場力としての信頼に直結します。

ネットワーク構築において、「設定したはず」「動くと思った」という思い込みが最も危険です。

それが本番環境での通信障害やパフォーマンス低下に直結するからです。

本章では、現場で頻繁に見かけるネットワーク構築時の典型的な失敗と、その未然防止策や対応のコツを紹介します。

IPアドレスの競合

同一ネットワーク内でIPアドレスが重複してしまう問題は、インフラ構築で最も基本的かつ致命的なミスの一つです。

主な原因
  • 手動で静的IPを設定したが、DHCPと重なっていた
  • 台帳が最新でなく、リユースIPが他の機器に割り当て済みだった
  • クラウド環境でのインスタンス複製によるIP複製
回避策
  • IP管理表(スプレッドシートやIPAMツール)をリアルタイムで更新
  • DHCP範囲と固定IPの割り当て領域を明確に分離
  • 仮想マシンを複製する際は、MACアドレスやIPを必ず変更

DNSの登録漏れによる通信障害

名前解決ができずに通信失敗するパターンは、特に構築直後に多発します。

主な原因
  • サーバーのAレコード登録を忘れていた
  • リバースDNS(PTR)未登録によるセキュリティ機器での拒否
  • DNSキャッシュが古く、誤ったIPに解決されていた
回避策
  • 新規サーバーやVIPを構築した際は、必ずDNSレコード登録をセットで実施
  • DNS登録が正しいかを nslookupdig コマンドで事前確認
  • 必要に応じてDNSサーバーのキャッシュをipconfig /flushdns(Windows)コマンド等でフラッシュ(再読み込み)

例: 社内でメールサーバーを新環境に切り替えた際、外部からメールが届かなくなった事象が発生。調査の結果、DNSのMXレコードが旧サーバーのままになっていたという見落としが原因でした。

セグメント越え通信のポート閉塞

異なるネットワークセグメント間で通信できないというトラブルもよくあります。その多くは、ポートの閉塞が原因です。

主な原因
  • ファイアウォールのアウトバウンド/インバウンド設定漏れ
  • VLAN間ルーティングの不備
  • セキュリティポリシーで制限された未許可ポート
回避策
  • どのアプリケーションがどのポートを使用するか明示した通信マトリクスを事前に作成
  • telnetnc コマンドでポート開放状況を逐一確認
  • FWログを一時的に緩めて確認→本番反映時に厳密設定へ戻す

例: WebサーバーからDBサーバーへの接続テストが失敗。調査すると、DB側のファイアウォールで1433番ポート(SQL Server)が遮断されていた、というケースもよくあります。

MTUや速度設定ミスによるパフォーマンス低下

MTU(最大転送単位)の不一致や、ポート速度設定のミスによって通信は成立していても、パフォーマンスが著しく低下することがあります。

主な原因
  • サーバー側が9000(ジャンボフレーム)で、スイッチがデフォルト(1500)
  • オートネゴシエーション失敗による速度・デュプレックス不一致
  • クラウド環境でのMTU制限設定漏れ
回避策
  • ネットワーク全体のMTU設定を統一し、異なる機器間では最小値に合わせる
  • ethtool(Linux)やGet-NetAdapter(Windows)でインターフェース設定を確認
  • ping -f -l <サイズ>(Windows)や ping -M do -s <サイズ>(Linux)でフラグメントの閾値確認

例: ファイル転送に時間がかかるという相談で確認したところ、スイッチとサーバーのMTU設定が異なっており、毎回フラグメントが発生していたというパターンも。

まとめ

ネットワーク構築の成功は、基本的な失敗をいかに潰せるかにかかっています

これらのトラブルは、決して特殊なものではなく、「またこれか」と思うほど頻発するものばかりです。

  • IPは被らせない、台帳はリアルタイムで更新
  • DNS登録と確認はセット運用
  • セグメント設計には通信ポートの把握を忘れずに
  • MTU・速度設定には“通信は通っても遅い”という視点を持つ

構築時から「どうすれば将来の運用トラブルを防げるか」を逆算して考えることが、真のインフラエンジニアへの第一歩です。

設計ミスで炎上!?システム設計に潜む“あるあるミス”と回避法7選

ネットワーク構築は、単なる配線や設定作業の集合体ではありません。

それはまさに、設計思想をもとにしたチーム戦であり、現場での一体感や意思疎通がインフラの安定性を左右します。

本章では、複数人でネットワークを構築・運用する際に押さえておきたい、3つのキーポイントを紹介します。

設計意図の共有:ドキュメント化と引き継ぎ

構築作業は属人化すると危険です。

「誰が、なぜ、この設定を行ったのか?」が後から追えなければ、トラブル時の初動が遅れるだけでなく、ミスの再発も防げません

ドキュメント化の目的=“未来の自分と他人のため”

以下のような情報を必ず記録し、チーム内で共有しておくべきです。

チーム内で共有しておくべき内容
  • 設計思想(冗長化・セグメント分割の理由)
  • IPアドレス設計書/VLAN構成図
  • ACL・ルーティングポリシーの意図
  • 設定変更履歴(作業日時・担当者・目的)

特にクラウドや仮想ネットワークでは、「見えないネットワーク」となりがち。構成の“見える化”が不可欠です。

引き継ぎ時は「口頭ではなく、レビュー付きのドキュメント」がポイントとなります。

レビューのポイント
  • 作成者とは別のメンバーがレビューし、誤記や設計ミスを早期発見
  • 後任者へは“言った言わない”を避けるため、資料ベースでの説明を基本とします

変更管理と構成管理の基本

「ちょっと設定変えました」が招くトラブルは、現場あるあるです。

だからこそ、ネットワークでは“変更前提”で管理を設計することが重要です。

変更管理の3原則
  • 目的・変更点・影響範囲を事前に明確化
  • 変更申請・承認プロセスを設ける
  • 作業後の動作確認とロールバック手順を用意

たとえば、冗長構成のルーティング変更や、FWルールの追加には、予想外の影響が出ることもあります。「戻せる設計」=信頼されるネットワークです。

構成管理では「構成を記録し、履歴を残す」ことが基本

構成管理のポイント
  • Gitなどの構成管理ツールでコンフィグを管理(NW-as-Codeの流れも加速中)
  • “現場で動いているもの”と“記録されているもの”が一致しているかの確認

構築時の役割分担と確認プロセス

複数人で構築を進める際、「誰が何をやるのか」が不明確だと、手戻りや設定ミスが発生します。

役割分担の例
  • NW構成設計:Aさん(最終承認者)
  • ファイアウォール設定:Bさん(レビュー:Cさん)
  • L2配線・ラベリング:Dさん
  • 検証・記録:Eさん(チェックシート使用)
構築時の役割分担のポイント
  • 役割分担は「技術と責任の両面」で定義する
  • ダブルチェッククロスレビュー文化を醸成
  • 「確認したつもり」ではなく、「確認された」状態を作る
  • 作業ログやチェックシートの活用で、再現性と証跡を担保
まとめ

チームでネットワーク構築を成功させるには、「知識」よりも「共有」が鍵になります。

個人プレーではなく、設計の背景・設定の意図・変更の履歴を全員が理解し合うことで、ミスを未然に防ぐ“仕組み”が出来上がります。

  • 設計意図は文書に残して可視化する
  • 変更・構成は履歴付きで管理
  • 作業は役割と責任を明確にし、確認工程もチームで行う

技術的なスキルに加え、チームで動く力(スキル × コミュニケーション)こそが、インフラ構築の成否を分ける要素です。

ネットワークに関する知識は、単に「構築できる」ことを意味するものではありません。

“現場で信頼されるエンジニア”になるためには、それをどう活かすかが問われます。

ネットワーク知識は「構築」だけでなく「運用」にも活きる

構築フェーズでは、計画的にネットワークを設計・設定します。

しかし、本当に差がつくのは運用フェーズです。

運用フェーズのトラブル例
  • DNSの登録漏れが原因でメールが届かない
  • ファイアウォールのルールが複雑になりすぎて疎通確認に時間がかかる
  • クラウド移行後にMTUサイズのミスマッチで通信遅延が発生

こうしたトラブル時に、パケットの流れを頭の中で描けるか何をどう切り分けるかの判断ができるか

それこそが、ネットワークの「引き出し」を持っているエンジニアの強みです。

「構築で終わり」ではなく、「運用でこそ真価が問われる」という視点を持つことで、一段上のエンジニアとして成長できます。

現場で信頼される技術者になるための第一歩

現場では「すぐ動ける」技術者が重宝されます。

とはいえ、それは“なんでも即答できる人”という意味ではありません。

“根拠をもって落ち着いて対応できる人”こそが、本当の意味で信頼される存在です。

技術の引き出し
  • すぐ使えるネットワーク診断コマンド(ping, traceroute, nslookup, curl…)
  • 複数の観点からの障害切り分けフロー
  • 複雑なトポロジーでも抽象化して考える力
  • 「なぜこの構成になっているのか?」を読み解く設計意図への理解

そして何より大切なのは、経験から学び、自分の言葉で語れるようにする姿勢です。

迷ったらこの順番!エンジニア直伝・トラブルシューティングの鉄板プロセス

あなたの“技術の引き出し”を育てよう

本記事では、ネットワーク構築における基本知識とよくある失敗、チームでの進め方などを紹介してきました。

この知識は、単発のプロジェクトで終わるものではなく、今後のキャリアにおける土台となる力です。

ネットワークを理解するということは、すなわちインフラ全体の設計思想を理解するということ。それはオンプレでもクラウドでも変わらない、不変のスキルです。

「ネットワークは専門外」と思っていた人も、「まだ経験が浅い」と感じている若手エンジニアの方も、まずは1つでも“自分の引き出し”を持つことから始めてみませんか?

信頼されるインフラエンジニアは、知識よりも“解像度の高い理解”を持っている。

その理解を支えるのが、日々の現場と学びの積み重ねです。

次のトラブル、次の構築プロジェクトで、あなたの引き出しが誰かを助ける瞬間がきっと来るはずです。

以上、「ネットワークはインフラの要!構築時に押さえるべき基本と実践知識」の話題でした。

ABOUT US
TAKAHIRO
課題を“技術”を駆使して解決する情報を発信。IT業界歴10年以上のエンジニア。大手SIer、通信キャリアでAWSやサーバ領域を中心に経験。グループリーダーを経て、組織マネジメントや400名以上のキャリア支援に従事。現在は法人向けにクラウドサービスの導入を推進中。